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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第7章 合わないカケラ
風呂から上がった凪は冷たい雫を払い鏡に映る自分を見つめた
「……クソっ」
瞳の中に怖れと迷いが見える
怒りとも違う
寂しさとも違う
諦めにも似た感情が凪を包み始めていた−−−
ピンポン
「……?」
こんな時間に誰だろうか
というより、そもそもこの家を訪ねるような人間が思いつかない
ただ一人を除いて−−−
「フッ…」
凪は馬鹿な考えだと頭を振り、急いで服を纏う
その間にもインターホンは鳴り続いていた
「……るせーな」
“大家か何かか?”
ぶつぶつと文句を言いながらドアを開け、そこに立つ人物に凪は目を見開いた