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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第1章 揺れる気持ち
「あー、まずったな……」
その背中を見送りながら、克巳は反省するように頭を掻く
「まだ割り切れてないというか、多分一生ダメだね、あれは」
陽菜乃はため息をついた
「周りを意識しなくなっただけでもかなり進歩したと思うけど……」
“今は周りより美和ちゃんの方が大事だもんね”
凪の美和への並々ならぬ愛情にくすりと笑う
が同時に昼間見た二人ことが頭を過る
「陽菜乃」
「ん?」
「先輩に一応謝っといて」
「必要ないと思うけど、了解」
陽菜乃は彼氏と手を振って別れ、兄の後を追って行った
「合格」
「おめでとー!」
考えてみれば和泉家はちぐはぐな家族だ
のほほんとした父と兄、口うるさい母、不良の次男に明るすぎる妹
そんな彼らが一緒になって楽しそうに豪華な食事を囲んでいる
−−−次男、以外は。
「凪! 主役なんだからもっと楽しそうにしなさい?」
今日の一連の出来事を知らない母はそう言いながらどんどん凪の皿に料理を取り分けてゆく
「凪は中華が好きだったのか〜」
その皿を見て父も適当な発言をする