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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第8章 夜明け
「もり…つぐ……?」
「そうですけど」
あり得ないと言いたげに自分を見上げる凪に星来は簡単に答える
「なんでここに……」
「いちいち説明しなきゃだめ?」
「……」
すげなく言い返されて凪は言葉に詰まった
「いつまでそうしてるつもり?」
「なっ……うるせ」
急いで立ち上がると目を合わせないようにしながら星来に質問した
「美和のこと、聞いたのか」
「今日三人が大学で話してるのをたまたま」
「それで? 俺たちのことをなじりにきたのか」
ハッ、と自嘲するように笑う
「うん、そう」
「ふざけ……」
「見ててイライラするから」
「は?」
怒鳴りつけようとしたところを遮ったその言葉に凪は目を見開く
なぜ星来が苛立つのか
「別に本人の意思で嫌われたわけでもないのにくよくよしてさ。ばっかじゃないの」
「あいつは俺を嫌って……」
「嫌いなわけないでしょ。わざわざ私に好きだって言ってきたんだから。好きでもないのに一回忘れた人のこと思い出しかけたりしないから」
絶対そうだというようにはっきりと口にする星来に凪は何も言い返せずただ黙っていた