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桜の季節が巡っても~追憶~
第51章 三年目のデート5(再編済)
「先生に抱き締めてもらったって、絶対に泣きやめない」
きっぱりと否定され、秀王は絶句する。
次から次へと、上手い言葉がすらすら出てくるタイプの人間ではない事は自覚していている。
きっと時には誤解させてしまう事も。
こんなに愛している彼女にすら、恐らく半分も自分の想いは伝えられていない。
だから。
でもせめて、抱き締めてあげるくらいなら自分も-思っていたのに。
それすらも無意味だと言い切られたら、後がない。
どんなに考えても、ただのひとつも思い浮かばない。
彼女に関する事は、どうしてすぐに答えが出ないのだろう。
一番、正解を知りたいのに。
仮にも『先生』だったのではないか。
自分の不甲斐なさに、知らず溜め息が漏れる。
その足はいつしか、歩く事を中断していた。
ショックを受けてはいたが、他の通行人の邪魔にならぬよう、歩道の端に寄るだけの思考は辛うじて残っていたらしい。
彼女の手を引き、暫くは佇んでいても多分大丈夫であろう場所まで移動する。
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