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桜の季節が巡っても~追憶~
第51章 三年目のデート5(再編済)
少し前までは、淋しくて。
哀しくて。
辛くて。
胸が押し潰されそうだったのに。
なんて現金で。
なんて単純なんだろう。
大好きなひとのひとことで、涙の意味はあっと言う間に反転する。
嬉しくて。
満たされて。
幸せで。
愛しくて。
まなじりに、涙が滲んできてしまう。
「一分待って。本当にちゃんと、泣きやむから」
-これは嬉し泣きだから、心配しないで。
泉夏は泣き笑いの顔で、囁く。
その健気な姿には心が震えずにいられなかった。
「…やっぱりどうしても今、泉夏を抱き締めたい」
秀王は呟いた。
泉夏は驚き、後ずさってしまう。
「だからだめって…!」
「どうして?」
真摯に問われ、弾かれたように泉夏は大声を出してしまう。
「どうしてって…こんな所では、恥ずかしいからに決まってる。私はもう大丈夫だから-」
「泉夏の事は冷静でいられなくなる。泉夏がそうさせる」
「私の…せい?」
泉夏が恐々尋ねれば、秀王は間、髪入れずに頷いた。
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