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桜の季節が巡っても~追憶~
第55章 出発前の甘い夜2(再編中)
腕の中で大人しく待つが、それきり音沙汰はない。
いつもよりも少し強めかなと思う力加減以外、それ以上の何かをされるわけでも、言われるわけでもなく。
いつだってこの腕に抱かれるのは、至福のひとときだけれども。
でも-。
「…い、意地悪って」
-私、何もしてない。
泉夏は憤然と呟いた。
『何かをしてた』のは彼の方で。
自分は『何かをされてた』側だ。
極限までいいようにしておきながら、その直前でいきなりやめてしまった。
昂ぶらせるだけ昂ぶらせておいて、最後は放置したくせに。
「意地悪なのは…せ、先生の方だしっ?」
頬を火照らせらながら、泉夏は秀王に当たる。
どうして欲しいのか知ってて、途中で終わった。
それならいっそ、何もしないでいて欲しかった。
こんなにもやるせない気持ちと身体を、持て余す事もなかったのに。
「せんせいの-」
-いじわる。
納得いかず、喚く泉夏の唇は啄まれた。
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