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桜の季節が巡っても~追憶~
第55章 出発前の甘い夜2(再編中)
満たされている。
幸せだと即答出来る。
それは絶対なのに。
これ以上何を望むと言うのだろう?
随分と贅沢になったものだ-でも、思ってしまったのだ。
今夜で暫くさよならで。
激しく絡み合い、愛を確かめ合ってるのに。
心を尽くして奉仕する度に、悦びの頂点に到達しているはずなのに。
そんな時でさえ、呼んでくれない。
こんな時でさえ無理ならば-多分きっともう、難しい。
乱れに乱れていても『先生』ならば、今夜はもう-。
やるせない気持ちに駆られ、つい『意地悪』だと口走ってしまった。
なんでもない-取り消そうとすれば、伸びた泉夏の両腕が秀王を掴まえた。
されるがままに引き寄せられれば、彼女の顔がすぐ側に。
可憐な花笑みに、まるで初めて恋に堕ちた瞬間のように胸が高鳴る。
慣れる日が来る?
いつかは冷静に、その微笑を受け止められる時がやって来るのだろうか。
見詰め返せば、甘い痛みが全身を駆け巡る。
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