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桜の季節が巡っても~追憶~
第58章 ふたりとも好き3(再編済)
「いや、完徹したのは揺るぎない事実だろ」
「…なんて言うか。一の事を十にまで大きくしてしてる…そーいうのをやめてって言ってるの。皆《みんな》の中で先生のイメージがどんどん崩れて、悪い方向にいっちゃったら-」
泉夏の語尾が萎《しぼ》む。
「イメージ?悪い方向?」
不思議そうに訊き返す龍貴に、泉夏は頷く。
「滅茶苦茶頭が良くて、教え方も上手で、穏やかで冷静で、皆《みんな》から尊敬されてる先生だった。学生とは一線を引いて接していたようなところはあったけど、それだって誰にでも平等に、誤解されないようにって考えからで」
「単に自分の保身の為だろ」
龍貴にあっさり鼻で嗤われ、泉夏はむっとしてしまう。
「…そういうのもなかったとは、言わないけどさ」
「言わないじゃなくてそうなんだよ。先生が学生に面と向かってそんな事、いちいち説明するわけないだろ」
「…」
「まあ、いいや。今の論点はそこじゃない。…で?その有栖川先生の完璧なイメージが崩れるって?」
-なんで?
天井に向け、龍貴は白煙を吐いた。
「…なんて言うか。一の事を十にまで大きくしてしてる…そーいうのをやめてって言ってるの。皆《みんな》の中で先生のイメージがどんどん崩れて、悪い方向にいっちゃったら-」
泉夏の語尾が萎《しぼ》む。
「イメージ?悪い方向?」
不思議そうに訊き返す龍貴に、泉夏は頷く。
「滅茶苦茶頭が良くて、教え方も上手で、穏やかで冷静で、皆《みんな》から尊敬されてる先生だった。学生とは一線を引いて接していたようなところはあったけど、それだって誰にでも平等に、誤解されないようにって考えからで」
「単に自分の保身の為だろ」
龍貴にあっさり鼻で嗤われ、泉夏はむっとしてしまう。
「…そういうのもなかったとは、言わないけどさ」
「言わないじゃなくてそうなんだよ。先生が学生に面と向かってそんな事、いちいち説明するわけないだろ」
「…」
「まあ、いいや。今の論点はそこじゃない。…で?その有栖川先生の完璧なイメージが崩れるって?」
-なんで?
天井に向け、龍貴は白煙を吐いた。

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