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桜の季節が巡っても~追憶~
第58章 ふたりとも好き3(再編済)
「気持ちはありがたく受け取るけどさ。それにしたって、ひとりでは絶対食い切れない量だろ」
泉夏がもやもやしていれば、それもまたあっさり見抜かれたようで、龍貴は悪びれなく発する。
「…それはそうだけど。でも龍は、ほとんど食べてもなかったじゃん。うちだってとても全部は無理で、学校の友達とかに配ってどうにか-」
「そもそも俺、甘いもの苦手だし。市販のものならいいけど、手作りは怖くて口に出来ない。髪の毛とか爪とか、なんか変な呪いかけられてたらさあ」
「…なによ、呪いって」
そんな非科学的なもの、この世で一番信じてないくせに-泉夏は開いた口が塞がらない。
でもまあ髪の毛とか爪とか、もっと恐ろしいものまで入れて作るひとも実際いるらしいから-気持ちは分からないでもないと同時、ちくりと小さな棘が胸を刺す。
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