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桜の季節が巡っても~追憶~
第16章 三年目のデート1
そんな事をしたら、今度はもうひとりの彼も傷付けてた。
そう考えると、やっぱり『行って来ていいよ』の返事で良かった?
先生に助けられた?
先生のお蔭で助かった?
先生が、自分の気持ちを抑えてくれていただけなのに-。
「…観たい映画があったの」
泉夏の呟きに、彼は優しく頷いた。
「気付いたら、上映終了に間際になっていて。麻衣を誘ったんだけど、予定が合わなくて。DVDで我慢しようかなって一度は考えたんだけど、やっぱりどうしても観たくなってしまって。その時ほんとに偶然、龍がうちにケーキのお裾分けを持って来てくれて。ついでに、夕飯に誘ってくれたの。…だけどすぐに、先生がいるのに軽々しく誘ってしまってごめんって、帰ろうとしたから。…気付いたら私、待ってって、龍を呼び止めてた」
行って欲しく、なかった。
行かないで、欲しかった。
大好きな彼に。
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