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桜の季節が巡っても~追憶~
第4章 先生には秘密4
二時間半近い上映時間が終われば、日付は明日へと変わろうとしていた。
「明日…ってか、もう今日?龍、お仕事休みだった?」
家路へ向かう車内。
泉夏は急に隣りの彼が心配になり、声を掛けた。
対向車のライトに照らされた、いつにも増して危うい香りの漂う、整った龍貴の横顔。
それが、僅かに、緩んだ。
「日曜だし。休みだけど?」
「なら、良かった」
泉夏は胸を撫で下ろした。
「何?今日も俺とどこかに行きたいなあっていう、遠回しのデートの誘い?」
煙草を一本咥えながら、龍貴は運転席側の窓を少し、開く。
間もなく信号で停止する、車。
龍貴はその先をライターで点火させながら、口元を歪めた。
紫煙をくゆらせつつ、泉夏に視線を送る。
暗闇の中、街灯や車のライトを受け、濡れて光る目がこの上なく妖しく、誘ってくる。
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