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桜の季節が巡っても~追憶~
第4章 先生には秘密4
気付けば、車は既に到着していた。
正確には、龍貴の家の車庫の中に。
結構な時間、ぼんやりしていたらしい。
そしてまた彼も、特段私に話し掛けずに、ずっと運転してきた事になる。
目が合うと、微笑み返された。
「お前んちまで車で行ってもいいんだけど、戻るのがちょっと面倒だから。何より、既に涼が帰宅していた場合、停車した音で感付かれて出て来られでもしたら、厄介だから」
だから、歩きで行こう-龍貴は、言った。
異論のない泉夏は頷き、龍貴に倣(なら)い、車の外へ出た。
並んで、彼の家の門を出、自らの家へ向かって歩く。
街灯が間隔を空けてある以外は何もない、暗い道路。
たった五軒隣り-けれど、どんな時でも、龍貴は自分が一緒の場合は必ず家まで送ってくれる。
ごく近い距離とは言え、夜道のひとり歩きは、やっぱり怖い。
こんな気遣いが、いつもさり気なく出来る、彼だった。
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