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桜の季節が巡っても~追憶~
第22章 三年目のデート5
「抱き締めてもいい?」
真摯な眼差しで、彼女に問う。
何を言われているのか理解出来ず、泉夏は一瞬涙を忘れ、ぽかんとする。
そんな彼女がおかしくて、秀王は思わず、笑みを零してしまう。
「そのままの意味なんだけど。今すぐここで、泉夏を抱き締めたいなって」
-だめ?
秀王は伺うように、泉夏を覗き込む。
「えっ、なんで…」
言いつつも。
それを想像して、泉夏の頬に赤みが差してゆく。
「泉夏の泣いてる顔は見たくない」
元からそんなにスピードは出ていなかったが、更にその歩みを遅くしつつ、彼は続ける。
「この世で一番大切に想ってる彼女に、そんな顔ばかりさせる自分が情けない。一番、見たくない顔だ。…ごめんね、泉夏」
胸が締め付けられ、泉夏は即座に首を振る。
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