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桜の季節が巡っても~追憶~
第22章 三年目のデート5
必要以上にショックを受けているらしく、その足は遂に歩みを停止してしまう。
それでも。
他の通行人の邪魔にならぬよう、歩道の端に寄るだけの思考は、辛うじて残っていたらしく。
彼女の手を引き、暫くは佇んでいても多分大丈夫であろう場所まで、移動する。
視線を合わせる事も儘ならず、口を閉ざしてしまった秀王とは逆に、泉夏は静かに開口した。
「…折角、泣き止みそうだったのに。先生が余計な事を言うから、また泣きそうになってきた」
「…」
「先生が私をどんなに大切に、どんなに大事に想ってくれているか。今、いっぱい、私に教えてくれた。先生の気持ちは前からちゃんと、知ってはいたけれど。今、また沢山、私に教えてくれた。私、もう、嬉しくて堪らないよ、先生-」
微笑み、泉夏は彼を潤んだ瞳で見上げた。
秀王は、そんな彼女に釘付けとなる。
「先生に抱き締められたら。今、大好きな先生に抱き締められてしまったら。私、絶対嬉し泣きする。号泣してしまう自信がある。…そうなったら、先生は困ってしまうでしょう?」
-だから、今は、私を抱き締めてしまわないで。
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