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桜の季節が巡っても~追憶~
第23章 誕生日の贈り物1
哀しくて、泣き。
嬉しくて、泣き。
それらを幾度か繰り返した後(のち)。
彼に手を引かれ、駅前周辺を目的もなく歩いている内に、ようやく完全に気持ちが落ち着いてくれた。
自分と一緒の時は、早過ぎず、遅過ぎず。
いつ、どんな時も、必ず肩を並べて歩いてくれる。
でも、今は。
ほんのちょっとだけ、彼が先で。
数歩先を行く彼の手に導かれるように、足を進めていた。
特に声を掛けられる事もなく。
ただ黙って、その背中を見詰め、ついて行く。
心の平穏を取り戻すのに、この静寂は程良かった。
お蔭で、すっかり元気を取り戻す事が出来た。
落ち着くと、なんだかんだで散々取り乱していた自分が、改めて恥ずかしくなってくる。
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