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桜の季節が巡っても~追憶~
第23章 誕生日の贈り物1
その思いが届いたのか、次に向けられたのは、大好きな笑顔だった。
泉夏も釣られ、口元を僅かに上げる。
「ものでどうこうしようとは、本当に思っていなかったけれど。泉夏に言われて、改めて気付かされた。泉夏が一番欲しいものを…その、まさか自分だって言ってくれるなんて、思ってもみなくって。お金が全てじゃない。お金で買える何かが、そのひとの最も欲しいものとは限らないって、泉夏が気付かさせてくれた。…やっぱり泉夏は、俺の先生だ。俺の知らない事を、いつも教えてくれる」
-ありがとう。
微笑まれ。
感謝され。
泉夏は泣きそうになり、慌てて大きく頭(かぶり)を振る。
「…そんな事。私が先生だなんておこがましい。…ずっと前から気にしてくれていたのに。先生は純粋な好意から、私に何かをあげたいと思ってくれているだけなのに。…そんな時ぐらい、これがいいって、可愛くねだれる女じゃなくってごめんなさい」
秀王は、目を細め、首を振る。
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