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桜の季節が巡っても~追憶~
第25章 出発前の甘い夜1
もう切なくて。
もう辛くて。
潤み始めた瞳で、自分を強引に組み敷く彼を縋るように見る。
ふたりの視線がぶつかり、ようやく自らを突き挿すそれが止まった。
「…泉夏」
ようやく我に返ったかのように秀王は呟き。
脚をやっと下す事が許され、泉夏は胸を撫で下ろす。
繋がった部分はそのままに、秀王は泉夏の身体を抱き寄せた。
少し前までの狂おしさとは裏腹の優しい抱擁に、泉夏は脱力した。
「…先生」
「乱暴にしてしまった。…ごめん、大丈夫だった?」
いつもの穏やかな声音。
いつも以上に、気遣う眼差し。
そっと、頬を撫でられ。
やがて、泉夏は小さく頷く。
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