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桜の季節が巡っても~追憶~
第25章 出発前の甘い夜1
心底ほっとしたように、秀王は彼女を抱く手に更に力を籠めた。
「…どうかしてた。ごめん」
自分を恥じ入るように呟く秀王の背に、泉夏は恐る恐る手を伸ばす。
「…私、何かしてしまってた?」
不安気に訊いてくる泉夏に、秀王は無言で、曖昧に笑った。
「先生…?」
泉夏は繰り返す。
「…したよ」
逡巡の後(のち)。
秀王は彼女に告げた。
「泉夏が、した」
-何を?
泉夏の双眸が、問う。
「泉夏が、俺を誘ってきた」
その刺激的なひとことに。
泉夏の目はこれ以上ないくらい、大きくなった。
「誘ってなかったなんて、絶対に言わせないよ、泉夏-」
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