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桜の季節が巡っても~追憶~
第25章 出発前の甘い夜1
「…すき」
苦しげに眉を歪めながら、泉夏は呟いた。
最初。
小さなそれが、秀王にはよく聞こえなかった。
今度こそ聞き逃さないように、彼は耳をそばだてる。
「すき…せんせ…」
快楽に身を震わせながら、それでも彼を見上げ、泉夏ははっきりと告げた。
確かに聞こえた彼女の言葉に。
自分への恋情を秘めたその瞳に。
欲望の赴くまま彼女を攻め立てていた事も、一瞬で忘れた。
彼女に囚われ。
彼女に心奪われ。
秀王は、泉夏の細い肩を抱き寄せた。
それに応えるように、泉夏の両手も彼に回される。
ふたりの視線が、繋がった。
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