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桜の季節が巡っても~追憶~
第27章 ふたりとも好き1
「先生に久々に会えて良かったじゃん、流川。…有栖川先生、元気だった?」
「うん。元気だったよ」
「そっか。俺も久し振りに会いたかったな」
その微笑みに、泉夏の胸は痛む。
『会いたかった』-それがどれ程の真実を含んでいるかは定かじゃないけれど。
その言葉を口にしてくれる優しさに救われる。
こんなにもいいひとを選べなかった自分-やるせない思いが込み上げる。
選べるのはひとりだけ。
先生にして後悔しているのではない。
先生で良かった。
先生で幸せ。
でも大樹にしろ、龍貴にしろ-自分には勿体なさ過ぎる人達で。
幾度考えたってどうしようもないけど-時折、堂々巡りする。
なんで私は、選ばなかったのだろう。
なんで私は、選べなかったのだろう-。
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