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桜の季節が巡っても~追憶~
第28章 ふたりとも好き2
「だめなものは、俺は初めから絶対良しとしない」
「…うん」
「自分の気持ちに逆らうような事は絶対にしない。いつどんな時でも、俺は俺の心に正直に行動する。誰にも遠慮はしない。誰に対しても、申し訳ないなんてのも思わない。自分で正しいと思った事をするだけだ。だから-」
-俺は俺の意思で、有栖川先生の所までお前を連れて行った。
泉夏の右目から零れたひと粒は、龍貴によって即座に拭われた。
「お前の長い片想いを叶えてやりたいって心から思った。先生が本気なら、お前を渡してもいいかなって。お前が…お前達が幸せになるなら、自分の事は-」
-まあいいかなって。
店の灯りに照らされた龍貴の顔が、笑った。
あの日。
あの時。
彼がどんな思いで自分の手を引いて、ホテルまで連れて行ってくれたか。
左目からも涙の筋が頬に伝った。
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