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桜の季節が巡っても~追憶~
第28章 ふたりとも好き2
「泣くか?」
「…泣かない、けど」
「けど?」
「…龍が凄く意地悪だから」
-泣きそうにはなってる。
龍貴から視線を外さずに泉夏が告げれば、彼は喉を鳴らした。
「でた。また得意の俺のせい」
「…だって」
そんな事ずっと思ってるのも自惚れで。
自意識過剰だと思ってた。
まさか訊けないし。
言われてなかったし。
でもそれも言わなかっただけ-そういう事?
「言っとくけど。別に責めてるわけじゃない。この立ち位置が不満なわけでもない。…そもそも俺が自分で望んでこうなったわけだし?」
-そこは、誤解されたくない。
龍貴の言葉は泉夏の胸に、形容し難い痛みを与えてゆく。
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