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桜の季節が巡っても~追憶~
第30章 先生には秘密1(再編済)
背後から、彼の上着の裾を軽く、引く。
「淋しくなるような事、言わないで。…こんな事、私が言える立場じゃないかもしれないけど」
泉夏の呟きを、龍貴は無言で聞いている。
「変わらず、そうやって誘ってくれて嬉しい。ほんとだよ。本心から、そう思っている。だから、行きたい。…龍がまだ、私と一緒に行きたいって、思ってくれているのならだけど」
「無理してない?」
「なんで無理?龍がどんなひとなのか、私はよく知ってる。信用してる。だから、行きたい。龍とじゃなければ、行きたいなんて絶対思わない」
胸が締め付けられる。
彼は、自分の言う事を、信じてくれる?
「…お前が俺を信頼してくれてるのは凄い嬉しいんだけどさ。でも、やっぱり、有栖川《ありすがわ》先生がさ-」
龍貴は後ろの彼女に語りかける。
「アメリカに行っていないのをいい事に、良からぬ事をしてるって、思われたくないんだけど。…ってか、殺されたくない」
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