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桜の季節が巡っても~追憶~
第38章 濃蜜な再会5(再編済)
「…寝たくない」
ふたりの時間がどれほど貴重か、彼女もよく分かっていた。
意地を張っていても仕方がない-泉夏は素直に思いを零した。
「もう日付けは変わってしまっているし、寝てしまったら次は朝になってる。先生といられる時間が、どんどん少なくなっていく。先生にようやく逢えて嬉しかったのに、逢えたって事はその時からお別れの日も近付いているって事で。そう思ったら、どんどん淋しくなってきた。…だから、寝ない。寝ないで起きていたい」
思えば初めての夜もこんな風に切なくて、ずっと起きていたいと思ってた。
しかしには睡魔には勝てず、いつの間にか舟を漕いでは慌てて目覚め-その繰り返しではあったけど。
一秒でも長く、先生といたいの-力強くしがみついてくる泉夏の腕に、秀王は目を見開いた。
どうして、いつもいつも、自分を最高に喜ばす術《すべ》を彼女は知っているのだろう。
例えそれが偽りの言葉だとしても、自分は無条件に本気にする。
そんな事、彼女は絶対にしないけど。
つまり、彼女が口にした事は紛れもない真実って事で。
だからもう嬉しくて-仕方がなかった。
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