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桜の季節が巡っても~追憶~
第39章 朝帰りの出来事1(再編済)
「あー、もうっ!お兄ちゃんはいつもうるさいなぁ」
流川《るかわ》家。
土曜日、午前七時半。
リビングに、泉夏のうんざりした大声が響き渡る。
「私、まだ大学生だけど、これでも一応成人してるんだよ?来月には二十一歳だよ?ちょっとはおとなとして扱ってよ。たかだか二週連続、朝帰りしたぐらいでさあ-」
『朝帰り』に『たかだか』と『二週連続』が加わり、火に油を注ぐ形となる。
地雷、踏んだかも-すぐさま自分の過ちに気付いたが、既に後の祭りだった。
あんまりしつこいので、ついつい口が滑ってしまった-自分を恨めしく思うが、もう仕方がない。
休日の朝。
ソファで新聞を読んでいた母親の絢子は少しも動じることなく、ゆったりとコーヒーを啜っている。
息子の涼が、十一歳年下の妹を必要以上に心配し-結果、彼女がうっとおしがる構図は昔からもう日常の光景だった。
しかし絢子とて、涼の気持ちが全く分からないわけではない。
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