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桜の季節が巡っても~追憶~
第45章 三年目のデート1(再編済)
「ならいっそ、メールも電話もやめた方が楽になれるんじゃないかと思うけど。でもそれはそれで、また耐えられない。やっぱりメールも電話も両方欲しい。どんなに逢いたい想いが募って、どれだけ苦しくなっても」
行き場のない気持ちを抱えても彼女はいなくて、ひとりでどうにかするしかなかった夜。
なのに。
今、絡んでる指は、確かに彼女のもので。
触れる事も。
抱く事も。
どんな事だって、叶う現実。
夢なんかじゃない-。
物思いに耽る秀王の耳に、彼女の声が甦る。

『何もしてやれてなくないよ』

左隣りの彼女を見れば、ほんのり染まった頬で恥ずかしそうに俯いている。
その顔に、一瞬で囚われてしまう。
虜になってしまう。
ここが誰もいない部屋の中だったのなら。
絶対に腕に抱いている。
たったの数日しか一緒にいられないのに。
『何もしてやれてなくない』-そう言ってくれる彼女に。
申し訳なさを感じつつ、心奪われるばかり。
好きな想いに上限など存在しない。
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