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桜の季節が巡っても~追憶~
第47章 日曜日の朝1(再編済)
「…帰って来ようにも無理だよ。月曜は朝一から講義だから、そのまま大学行くし。帰りは夕方だよ」
「なら、問題なしね」
絢子は笑って、食材を冷蔵庫から取り出しにかかる。
泉夏は信じられないという風に、自分の母親をまじまじと見詰める。
「どうやってお兄ちゃんを説得してくれたの?」
「説得なんて大袈裟なものじゃないわよ」
水を張った鍋をIHヒーターにかけながら、絢子は苦笑した。
「じゃあ、何?」
どんな魔法の言葉で、あの兄をあっさり丸め込んでくれたのか。
泉夏は母親に詰め寄るが、あっさりとかわされる。
「内緒」
破顔する絢子に増々疑問が募るが、しかしそれ以上はどうしても教えてもらえない。
何か弱みでも握られているのかな-様々、思いを巡らせてみる。
嬉しい反面、自分もいつかの折、こんな風に簡単に母親にやられてしまうかもしれない-そう考えると、内心気が気でなかったりもする。
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