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桜の季節が巡っても~追憶~
第50章 三年目のデート4(再編済)
「先生、見て見て!」
館内に入ってすぐの大水槽。
繋いだ彼の手を、少々強引に引っ張ってゆく。
エイやサメに混じって、一際目を引くのが何万匹もの鰯の大群泳だった。
群れをなしたイワシの大群の大移動の様は、まさに一見の価値ありだった。
水槽内の照明に照らされて光る鱗《うろこ》が、きらきら輝いている。
「…きれい」
感嘆の声が漏れる。
「とっても綺麗。とっても素敵-」
暫し大きな水槽の前に佇み、水中を眺める。
鳥肌が立つくらいの、美しさ。
銀色の魚達の遊泳に惹き込まれ、見入ってしまう。
どれくらいそうしていたのか-ようやく我に返り、隣りに立つ彼を慌てて確認する。
「ご、ごめんなさい…っ」
折角初めてふたりで訪れた場所なのに。
一時的にも彼の存在を忘れ、自分だけの世界にすっかり浸っていた。
激しい自己嫌悪に陥ってしまう。
しかし、自分を見詰める眼差しは少しも怒ってなく。
それどころか優しく、実に嬉しそうで、泉夏は安堵した。
館内に入ってすぐの大水槽。
繋いだ彼の手を、少々強引に引っ張ってゆく。
エイやサメに混じって、一際目を引くのが何万匹もの鰯の大群泳だった。
群れをなしたイワシの大群の大移動の様は、まさに一見の価値ありだった。
水槽内の照明に照らされて光る鱗《うろこ》が、きらきら輝いている。
「…きれい」
感嘆の声が漏れる。
「とっても綺麗。とっても素敵-」
暫し大きな水槽の前に佇み、水中を眺める。
鳥肌が立つくらいの、美しさ。
銀色の魚達の遊泳に惹き込まれ、見入ってしまう。
どれくらいそうしていたのか-ようやく我に返り、隣りに立つ彼を慌てて確認する。
「ご、ごめんなさい…っ」
折角初めてふたりで訪れた場所なのに。
一時的にも彼の存在を忘れ、自分だけの世界にすっかり浸っていた。
激しい自己嫌悪に陥ってしまう。
しかし、自分を見詰める眼差しは少しも怒ってなく。
それどころか優しく、実に嬉しそうで、泉夏は安堵した。

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