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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
夜遅く、
たーくんが会社から帰った。


「ただいま〜……」


リビングでソファに座りうとうとしていたあたしは、飛び起きる。

『おかえりなふぁい〜……』

あくびをしながら旦那を迎える。


「おう、
どうだった?お義父さん」

『……ああ、
風邪を拗らせただけだったわ。
お薬飲めば治るみたい。
お茶漬け食べる?』


「そうか、大事がなくて良かった………
ううん、今日は良いよ。
疲れたし直ぐワインにしようかな」


あたしはワインボトルとグラスを持ち、
寝室のベッドサイドテーブルに置いた。




―――良かった。
父と旦那の仲が悪くて。


父は宝石商らしく豪快で、顔が広く喋りも滑達でそつがない。
旦那のことは認めてくれたけど、
根っからサラリーマン体質の真面目な旦那とは合わないみたいだ。


目に見えて仲が悪いわけじゃないけど、
旦那があたしの実家に寄り付かない。

父への心配も〔体裁ていど〕なんだ。



だからラッキー。
……あたしにとっては、
この上なくラッキーだわ。
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