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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第3章 溺愛
あんなに美しい秘め事が、他にあるだろうか??
親子は血が流れている。
だから官能を極められるのだ。
他人といくら性を交わしたとしても、
一時の快楽からややこしい情が生まれるだけだ。
私は碧のためだけに生きている。
早く結婚したいと言い、高校を出ると本当に早川という男と婚姻してしまった。
まぁ、世間体のためには婚姻してもらわないと困る。だから碧が誰と結婚しようが、何人子を産もうが構わない。
幼い頃から母親がいなかったから結婚に憧れていたんだろう。
居住地が離れて以降はめっきり性交が減ってしまったな……
代わりに金をふんだんに与えているが。
―――エスカレーター式の私立学園に行かせたが、早々に結婚を許したのは勿体なかった………
2人で居られれば、もっともっと愛を深められたのに。
碧の足の裏の味や、
毛根の匂いまで知り尽くしているのは私だけだ。
「社長〜〜〜♪♪
失礼しまぁ〜すっ」
バンと大きな音がして、
もう1人の秘書・笹川あやね【ささがわあやね】が入ってきた。29歳の秘書5年目の女だ。
もっとも秘書の仕事は殆ど先ほどの男性秘書・オノダがしているのだが。
『何だ、あやねか』
あやねは下着が見えそうなミニスカートに、
胸の谷間を強調したスーツ姿。
抱き着いてくる。
「なんだは何よぉ。ねぇ社長ぉ〜〜っ。
あたし寂しい……」
あやねが甘い匂いを醸し出しながら、
唇を重ねてきた。
碧……………
三宅は愛娘・碧を思いながら、
社長椅子の上であやねの胸元に唇を埋めていく………………………
あやねは顔とスタイル、声が碧に似ているから採用した。生年月日が近いのも重要なポイントだった。
碧……
碧…
今日は普段よりも碧への気持ちが強い。厄介事を久しぶりに片してやった爽快と満足感が広がっている。
――誰を抱くときも、
頭にあるのは碧のことだけだ。
ああん、あん………
半裸のあやねを下から突きながら、
三宅は肖像画の碧を見つめている。
今にも碧はあの甘い鼻声で喘ぎ始めてしまいそうだ………………………………………………
〔終〕