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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
「乃愛とー、なゆかとー、沙優【サユ】とー、杏南【アナン】とー…………」


6・7人の名前が出た。



『へ、へええ〜〜〜。
時人、それでお返事はどうしたの?
そうゆうのはきちんと返さなきゃマナー違反だよ?』
あたしは震える手をテーブルの下に隠す。



「えー。
いっぱい過ぎて分かんないし、
返したら返したで色々言われると思って机に仕舞ったままだよぅ」
時人はうんざりした表情だ。



『そっか。
そうだね!
それが一番いいわね、お返事したら女の子たち傷つくわよねっ』
時人は素直で純朴だ。


「でしょ?
俺、そういうの苦手なんだ。訳わかんないし、女子って。
夕輝やタケと遊んでるほうが楽しいもん。
ママ、デザートおかわりほしい」


『あっ、うん、
待ってね〜』
あたしは立ち上がり冷蔵庫から庵慈特製きなこプリンを取り出した。



「俺、これめっちゃ好き♪♪」
時人がプリンを頬張る。


あたしは、
明日だわ……と策を練る。


明日、時人が学校に行ってる間に机を探らなきゃね。

―――マンガ本も要チェックね。


見てなさいよ。
時人に邪な想いをぶつけたら、
あたしが許さないわ……………


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