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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第1章 前編
『あらぁ、
37、4℃かぁ……まだ少しあるね。
学校には今日もお休みの電話してあるからね?ナカタ先生が「時人くん、お大事にね」って。
何が食べたい?』


―――あたしは時人の部屋で熱を計ってやり、
オデコの冷えピタを貼り替えた。



生臭い匂いがする………

ゴミ箱にはくしゃくしゃのティッシュ。


「ミートグラタン食べたい……
それと、プリンと、ナゲットとぉ……」

時人は熱で潤んだ瞳でそう言う。


『うふふ、お腹は大丈夫だもんね。
よぉし、作るから待っててね?
アイスノンも交換するわよ♪』


「うん!
リンゴジュースも飲みたい」


『はいはい。
直ぐ作るわ。
さ、寝てなさいな〜』
時人は怠そうにベッドに潜る。


ママ友や親戚、旦那の会社の人から〔時人くんはイケメンだね〜〕〔ジャニーズに応募したら?〕と言われるくらいの美形の時人。


だからあたしは、
告白ばかりされている時人を見張らなきゃならない。

掛け布団をそうっと被せると、
『ゴミ、捨てとくわよ』と青いゴミ箱を持って部屋を出た。


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