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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
ピロリン♪♪


スマホが鳴る。


これは時人からのメール音だ。

〔ママ、お祖父ちゃんのところ気をつけて行ってらっしゃい。
俺は今バスだよ。
お昼食べて夕輝と遊んでるからね〕



あたしは〔うん、ありがとね時人〕と慌てて返す。


何て優しいのかしら。
爆破予告を受けてパニックだろうに、
お祖父ちゃんのことを心配してる。



時人………

時人。


文面から「嫌がらせの不安が消えた」ことが見て取れた。



あたしの狙い。

爆破予告の紙面を学園宛に送った。


もちろん、
宏樹くんに配達ついでに投函を頼んだのだ。
〔今日午後1時〜明日夕方6時までのあいだに、
仕掛けてある爆弾を爆破させます〕とメッセージ文章を印刷して封書し、
宏樹くんに渡した。


『また、うちで抱いてね………』
そう鼻声で囁くと、
宏樹くんは噴火しそうなくらい顔を赤くした。
昨日高内とNホテルを出たあとのこと。



爆破予告をすると、
学園は当然パニックになり生徒には自宅待機を申し付けるだろう。


―――そうすると、
時人のラブレターの返事問題などうやむやになるに決まっている。
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