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水流金魚
第5章 金魚鉢の金魚
「私はっ……翔ちゃんと一緒にいたい」
心から叫んだ。この十年間のことを思い出すと胸が痛くも温かくもなった。翔ちゃんは何も変わっていなかった。変わってしまったのは私の心のほうだった。
「それでいいよ。そう思ってくれているなら俺は花と一緒にいる。やり直す努力をする。ただの好きと恋は軽い。だけど愛は重い。それだけは花に分かって欲しい。花だって傷ついていることは分かっているけど、俺だってすごく胸が痛くて苦しかった。それでも花にはいつまでも隣で笑っていて欲しい。それだけでいい」
「うん、ありがとう」
私達は涙を拭いて顔を見合わせて微笑んだ。
心から叫んだ。この十年間のことを思い出すと胸が痛くも温かくもなった。翔ちゃんは何も変わっていなかった。変わってしまったのは私の心のほうだった。
「それでいいよ。そう思ってくれているなら俺は花と一緒にいる。やり直す努力をする。ただの好きと恋は軽い。だけど愛は重い。それだけは花に分かって欲しい。花だって傷ついていることは分かっているけど、俺だってすごく胸が痛くて苦しかった。それでも花にはいつまでも隣で笑っていて欲しい。それだけでいい」
「うん、ありがとう」
私達は涙を拭いて顔を見合わせて微笑んだ。