この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第10章 "恋"


「沖田はん、大丈夫かいな?」

山崎も流石に不安を隠せないでいる……



自室に戻り慌てて着替え、大刀と脇差しを腰差し屯所の門に走る…
そこには既に総司が待機していた。

「すみませんっ、遅くなりましたぁ!!」

「いえ、私も今来たばかりですよぉー」

二人共、隊服は着ていない。

総司は灰色の着物と袴に灰黒の羽織、瑠衣は少し薄い紺色の着物と袴に紺色の羽織。

隊服で巡察しないとなり、土方が支給‥(出されたのは金子で、後は目立たん色の着物を勝手に買って来いだった)したものである。

「今日は山崎さんが付きますので…
さぁ行きましょうか」

「はい、本日もよろしくお願いします」

二人は屯所から出て京の街へと消えていった。




夜ー


「今日は当たり無しですかねぇ橘さん」

山崎の姿が見えない、多分捜索中であろう。

「居ない方が良いと思いますが??」

「そうなのですけどね、ただ歩くのは勿体ないです」


(物騒な事言わないで下さい…)


巡察すれば必ず何か当たるわけではない…
当然空振りだってある…
なのに総司はただ歩くだけではつまらないと言っているのである。

「沖田先生、考え方が物騒ですよ、何事も無く終わり良ければ全て良しです」

「だって…」

「だって、何ですか?」

「つまらないじゃぁ無いですかぁ、せっかくの巡察なのに…」

「巡察なんですから、もっと気を張って下さい!!」

これじゃ駄々っ子の慰め役である…


(勘弁して欲しい…)


幾ら瑠衣だとて毎日毎日"鬼"や不逞浪士には出会いたくないが本音だ、仕事は真面目にするが無駄な事は論外である…

そんな事を思っていたら屋根の上から声がした。

「お二人さん、仕事でっせー
二本向こうに不逞浪士がわんさか居るでぇ」

「今日の巡回の隊は?」

「三番隊やけど逆方向やなー」

「沖田先生、行きますか?」

「そうですね、山崎さん、正確な数は分かりますか?」

「気配からして十人程度やな」

それならば二人でなら何とかなる数である。


「橘さん、行きますよ」

途端に総司の気配が変わる…
剣豪沖田は名ばかりではない。
/735ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ