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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第10章 "恋"


(???????)


自分の胸の高鳴りが全く理解出来ない。

「??
どうかしましたか?」

急に黙る総司を変に思い声を掛けてみる。

「……
い…いえ、何でもありませんよぉー」

反射的につい瑠衣から顔を背けてしまった。

「変な沖田先生……」

瑠衣は総司の行動を気にする事無く前を歩く…


(私どうしたのでしょうか?
橘さんの顔がまともに見られないのですが…)


その笑顔が眩しくて仕方がない…
輝いて胸の高鳴りが止まらない‥何故?

考え込み立ち止まって動けずにいる総司に…

「先生ー!!
置いて行きますよぉー!!」

瑠衣は後ろを振り返り先を促す。

「え…あっ…
ちょっと置いて行かないで下さい!!」

総司は随分前を歩いている瑠衣に向かって慌てて走り出した…




その後屯所にて土方に報告(まだ仕事してた)したのち風呂に入り(勿論別々です)布団に潜り込む二人…
今は明け方の四時くらいになる…

巡察は夜の九時くらいから夜が明ける三時から四時くらいまで、今日は"鬼"が二度出現しその後全く出なかったので早めに切り上げて来た。


「んーっ…
今日は早めに終わりましたねぇ」

「そうですね、毎日こうなら楽なのに…」

「あはは…
それは"鬼"さん次第です」

「それもそうですね」

二人共風呂に入った後なので、髪を下ろして横に一括りに結っている。


「起きたら刀の手入れをしないといけませんね」

「あぁ…
はい、そうですね」

総司は布団に腹ばいになり、両手を頬についている。


「そう言えば‥橘さんが刀の手入れをしている姿を見た事が無いですね?」

ふと不思議に思い瑠衣に聞いてみる。

「はい、不思議な事に錆びないんですよ、切れ味も落ちませんし、だから血糊を拭き取るくらいしかしてません」

「へー便利ですねぇ
妖刀ってみんなそうなのですか?」

「さぁ??
自分は自分の刀しか見た事無いですから、確証は無いです」

「それもそうですね、そんなそんなに妖刀が出回っていたら大変ですし」

「ぁはははは…」

布団の中で、転がってケラケラと笑ってる瑠衣…。

「そんなに笑わないで下さいよぉー」

子供みたく頬を膨らます姿に、更に笑いは止まらなくなる。
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