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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第10章 "恋"
「好き…嫉妬…」
(確かに橘さんは好きですよ、けど色恋の好き…なのでしょうか…私…
確かに朱雀様と一緒に居た時苛々しましたねぇ…
やはり私は…橘さんを好き…なのですかね…)
夢の中のあの切なげな瞳、自分がどうにかしてあげたい…そう思う。
(何故あんなに切ない瞳をするのですか…?)
ぐるぐると色んな事を考える総司、土方から見ていると顔を赤くしたり青くしたりと一人百面相をしているようである。
「答えは出たか?」
「はぁ…まぁ…一応は…」
まだ納得しきれていないそんな顔をしている。
(はぁー
面倒くせぇな餓鬼は…)
「じゃ総司、その女が急にお前の前から居なくなったらお前どうする?」
(橘さんが居なくなったら??)
「それは……勿論探しますよ」
「それは自分の為にか?
もし他の男と一緒になってたらどうする??」
(他の男と…)
総司の頭の中に朱雀様が浮かぶ。
(嫌だ…
一緒に居る所なんか見たくない!!)
「・・・・・・・・・」
(何だ?
心辺りがありそうだな…そんなに良い女か?)
「だったら他の男に取られねぇように、しっかり捕まえな…お前しか見えなくなるようにな…」
「土方さん、それは…」
「そうだろう?
他の男に渡したくないなら、自分がしっかり捕まえておくのが一番だ!!」
土方の言う通りである。
瑠衣を朱雀様に取られる…
そう思うだけで嫌な気持ちになる。
(あぁ…
私は本当に橘さんが好きなのですね…)
土方に此処まで言われ、やっと自分の気持ちを認める気にはなったが…
「どうせお前の事だ、まだ相手の女に好きともなんとも言ってねぇんだろ?」
それには素直に頷く。
「だったら早くした方が良いかもしれないぜ?
男の影があるなら余計にだ…」
「・・・・・・・・はい」
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