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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第11章 "遊"

次の日…
本当に朝帰りした土方が自室で仕事をしている…
はっきり言って筆を持ちながら仕事の振りして居眠りしているが正しいのだが…
「土方さーん」
眠気が漂う中、総司が襖を開けて入って来た。
「総司、声くらい掛けろ…」
何時もの鬼の迫力は何処えやら…
「やっぱり朝帰りですかぁ」
ニヤニヤと笑う総司。
「うるせぇ、お前らが置いて行ったんだろうがっ」
「だからって子供じゃ無いのですから、一人で帰って来る事だって出来たんじゃ無いんですかぁ??」
「余計なお世話だっ!!」
眠い上に追い討ちを掛ける総司…
此方はたまったものではない。
「昨日はその後どうでしたぁー月詠さんと?
それとも違う方と??」
分かり切ってるのに…
総司の含み笑いに嫌な程腹が立って来るのは仕方が無い。
「餓鬼には関係ないだろっ!!」
「そうですねぇー
私には関係ありませんが橘さんに報告と思いまして…」
「だったら余計に関係ない!!」
言えるか普通‥
月詠と朝までなどと……
「そうですか…
つまらないなぁー」
そう言い面白く無さそうだが、総司はあっさりと部屋を出て行った。
「馬鹿野郎・・・」
眠い目を擦り、総司が出て行ったのに安心してまた筆を取る…
その日一日土方の仕事が捗らなかったのは言う間でも無い・・・
「やっぱり答えてくれませんでしたねぇ」
縁側で団子の山を食べながら瑠衣に話す総司。
「普通話しませんよ…」
瑠衣の方は呆れている
事実は全て知っているが、総司には教える気は無い。
「これが左之辺りでしたら絶対話ますよー」
それはありそうだとつい思ってしまう
元々原田は口が軽い。
「そういえば前に左之達が話していましたね」
おやと言う顔で瑠衣を見る総司。
「あっ、前の非番の時です…
確か沖田先生は居ませんでしたよ?」
「あぁ…はい…」
また一本団子が減る。
「その時に左之と平助と新八が月詠の話をしていたんです、その後行ったどうかは分かりませんが…」
「へぇー
左之なら行きそうですねぇー」
「そう思いますか?」
団子がまた一本…
「んー
ですが今月の給金まだでしたね、だとしたら行って無い方が高そうだと思います」
「…何か言ったか総司?」
噂をすれば何とやら…
此処ぞとばかりに通り掛かった原田‥
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