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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第11章 "遊"
(あーっ!!
ウジウジ考えるなんて自分らしくない!!)
自分はもう少し、いやかなり冷静だった筈だ…
朱雀としての自分は冷静で冷酷、神としての性もあるが自分自身を厳しく律して今までやって来た、それなのに…
其処まで考えた時、昨日の華因の…
"変わりましたよ"
その言葉が思い出される、ただ"何が"という所を華因は言わなかったが…
(・・・・・・・・・)
「橘さん??」
「えっ!?
は…はいっ!?」
「何ぼーっとしてるのですか?」
「ぼーっとしてましたか自分?」
「はい、それはもう…」
「あちゃ‥
すみません…」
考え過ぎて隣に居る総司の事すら忘れていたようだ…
「…いえ考え事ですか?」
「…そんな所です」
ふと‥瑠衣は中庭の真ん中の桜の木を見る。
(全ては彼処から始まった…
多分自分が変わったとしたら、この男の影響だろう)
感情があり過ぎる総司…その影響が自分にも移っていると‥多分そう思う…
ふと桜の木から総司に目を移す。
総司は瑠衣と目が合い、ニコリと笑っている…
それにつられて自分も笑う……
(この時間は悪くは無い…)
そう思いながら………。
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