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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第12章 "鏡"


多分最後まで沖田総司と言う人物に付き合ないといけないだろう……

「全て承知の上です」

無表情に瑠衣は当代様に答える、そこは橘瑠衣ではなく神朱雀としての意志だと言わんばかりに。

「…では我は何も言うまいて…」

当代様もこの答えに納得したのか、それ以上の歪みに対する追求は無かった。



話と用事は終わり、一礼してから当代様の部屋を出る…

頂いた箱を手に相変わらずだと思う長い廊下を歩く…
だが先程居た翠蓮は付いて来る事も見掛ける事も無かった。


(自分の我が儘で当代様に気を使わせてしまった…)


瑠衣は翠蓮を思い浮かべる…
‥と言っても今では無く現代の事‥自分に取っては少々過去の話ではあるが…


(翠蓮・・・何故あんな事をした……)


瑠衣はまた唇を噛み締めている…
どうしても忘れられないあの出来事……


早々に当代様の気配が濃い奥宮から出て、表宮の長い廊下を一人フラフラと歩く、多少一族や表宮で働く人間とすれ違うが全く気にしない…

瑠衣の心の中は遥か過去‥自分の子供時代を思い出していた・・・


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