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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第12章 "鏡"
「居たぞ!!」
「急げ、お前は向こうに回れっ!!」
何かを見付けたらしいのは分かる。
「捕まえたぞ…」
見付かった場所、其処には男達に捕まっている翠蓮の姿が…!!
(翠蓮!?!?)
何故翠蓮が捕まっている?
訳が分からなく、自分はただ物陰から見てるしか無い。
「朱雀の一族の一人翠蓮だな」
一人の武将が翠蓮を確認するように言う。
「・・・・・・はい」
それを聞き武将達は一斉に槍を構える。
「翠蓮、貴様の罪は重い…
それは重々分かっているな?」
「・・・・・・・・・」
翠蓮は何も答えない…
「我ら四神が一族が集いし正十二武将が命を下す」
(正十二武将だと!?)
正十二武将…
それは四神の一族それぞれから集められた最強の武将達である。
役目は…
全ての一族の取り締まり…
罪を犯した者を追い罰するのが役目、だからこそ力がある者が罪を犯した場合に備えて、一族の中でも特に力と才覚がある男達が集められいる。
「朱雀の一族が一人翠蓮よ、その罪重く見逃す訳にはいかぬ、よって此処に処刑の罰となす!!」
「・・・・・・・・」
その言葉に翠蓮はただ悲しそうな瞳をする。
「立て翠蓮…」
翠蓮は言葉に従いゆっくりと立ち上がった。
十二人の武将達は翠蓮に向かって槍を構える…
そんな中、自分は居ても立っても居られなくなり物陰から飛び出した!!
「翠蓮!!」
瞬間翠蓮は此方を振り返る…
その時…
"グサッ…グサッ…グサッ…"
四方八方から翠蓮の体に槍が突き刺さった…!!
「・・・申し訳‥ごさいません…卵の姫‥様…」
十二本の槍が抜かれ翠蓮の体はその場に崩れ落ちた。
「翠蓮!? 何故!? 何故!?」
その言葉に返事は無い…
既に翠蓮は息絶えてる。
「・・・・・・・翠蓮・・」
その場に座りこむ自分…
その時、正十二武将の一人が此方に向かって来た。
「次代様どうか翠蓮の事はお忘れ下さい…」
そう一言だけ言い残し後片付けに向かう…。
「・・・・・・・・・・・」
自分は何も出来ずただ座り込むばかりだった。
その後、新たに優衣が自分に付き、翠蓮の事は無かったように忘れ去られた。
結局何が原因で翠蓮は罰を受けたのか知らされる事は一切無く・・・
そして自分の心の中に凝りだけを残して……
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