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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第12章 "鏡"
「はい、鏡の表‥赤い線の交わる中心が自分の居る場所、その回り一帯を捜索可能らしいです、もし"鬼"が居れば鏡に光が現れるそういう仕組みだそうです」
「凄いですねぇー
では私達が歩きながら"鬼"を見付ける事が出きるのですね?」
「はい、"鬼"を見つけその方向に歩けば、光は鏡の中心に近くなる事になります、つまり自分達が"鬼"に近づいている訳です」
「なる程ー
良く出来でますねぇー」
こんな手のひらに入るような小さな鏡がそんな能力を秘めているとは‥総司は本当に関心してる。
「ですが、まだ試しの状態で実際の"鬼"との距離感が分からないらしいんです」
「使ってみれば分かる事でしょう??」
「…確かにその通りですね」
「では次の巡察から使ってみましょうよ」
総司は事も無げに言う。
「そうですね」
大きな問題をあっさり解決され、関心と呆れつつ思わず頷く瑠衣…
(こういう所はかなわないなぁ)
総司の懐の大きさに密かに笑っていた…。
次の日の巡察ー
総司と瑠衣は鏡を持ち、屯所を出て歩いている。
「こういう時って出ないのですよねぇ」
総司は鏡を早く使って見たくてウズウズしている様子。
「まだ巡察を始めたばかりですよ沖田先生…」
「それはそうですけど…」
まだ壬生から出てやっと京の街中に入ったばかり…
こんな早くからわんさか出て来られたら、こちらの身が保たない……
「兎に角何時も通り歩きますかぁ…」
因みに別働隊で山崎ら三人は違う方向を捜索している…
瑠衣達は何時も通りの順路、それで話は付いている。
「此処から大通りに出ましょう」
「はい」
何時もの如く大通りに出る総司と瑠衣
…暫く歩いていると鏡が仄かに光り出した。
「「・・・!!」」
自分達が居る場所から北西の方角の隅に光はある…
「行きますよ橘さん」
「はいっ!!」
二人は光が指し示す方向へと歩き出した。
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