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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第12章 "鏡"
"鬼"を倒した場所から通常の順路に戻り、更に街中を歩く総司と瑠衣。
山崎達は今日は試しと言う事で"鬼"を見付けても余程の事が無い限り此方へは来ない予定になっている。
「自分達の居る場所から半刻が鏡の範囲ですか…
少し長すぎますねぇ」
総司は手に持つ鏡を見ながら考える…
「そうですね"鬼"も移動しますし、もし鏡の端の場所だとすれば、此方が追う前に逃げられる可能性も十分あります」
「ですよね…
しかし‥素朴な疑問なのですが、"鬼"は何処から現れるのでしょう??」
「??」
確かに総司の言う通りで"鬼"が何処から来てるか誰にも分からない、自分達が歩いた場所に後から"鬼"が出現する事も多々あった。
「湧いて出る…
‥という訳でもなさそうですし、疑問ですよね…」
「そうですね確かに変です…
自分達が通った時は居なく、その直ぐ後から現れる…」
鏡を見、歩きながらも考えを巡らす二人
「もし誰かが"鬼"を使ってる…そう考えたらどうですか?」
「使う??」
総司の言葉に、ふと瑠璃と会話した内容を思い出す…
((人間でした))
もしも、その人間が"鬼"達を駒として使い配置していたら??
瑠璃を操るくらいの人間だ、人や物を自由に他の場所に移せる転移の術くらい使えないか?
自分達が歩いた後に転移の術で"鬼"を既に歩いた場所に配置する…
もしそうだとすれば、自分達は其奴に遊ばれているのか???
どんどんと嫌な方向に考えが行くのを止められ無い‥いや余計考えてしまう…
(黒幕は…何奴???)
一族では無い…
ではただの人間に力があるというのか…
何かがおかしい…
有り得ない事が現実に起きている…
一族は矜持が高い、化け物のようで中身が無い"鬼"を使役するなど、一族誰であってもその高い矜持が許さないだろう
では人間?
確かに力を使える人間はごく僅かだが存在するが・・・・・・・
「・・・さん、橘さん!!」
「……えっ?
はっはい、何でしょうか沖田先生…?」
考えに没頭していて、総司の存在を完全に忘れていた。
「・・・話聞いていましたか??」
「…すみません、聞いていませんでした…」
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