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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第13章 "心"


今日は外宮に行く用事も無く、久しぶりに完全な非番である…
それなのに、こんなグルグルと考え事している自分が可笑しい。


(あーどうするかな?
…せっかく幕末に来てるんだから、京見物でもするかなぁ…)


現代から幕末に落とされてから余裕というモノが無く、京の街の散策など全くしてない
現代では見れない物が見れる絶好の機会なのに…


(少しは気分転換になるかな?)


そう思い、京の街に観光もどきに行く為、着替えをしに自室に戻る事にした・・・



自室に戻ると、団子を食べ終わった(かなりの量があったと思ったが…)総司も戻って来ていた

「沖田先生戻ってたんですか?」

「はい、団子も無くなりましたし、買いに行こうかと…」

あの量を食べて、まだ甘味を食べるのかと呆れ顔になるのを止められないが、それを一々言う気にもなれない‥いや既に諦めたと言った方がよいのか…


「自分も街に出ようかと思い戻ったんです」

「では、一緒に行きませんか?」

「先生とですか?
甘味屋巡りですかー??」

それはだけは絶対に勘弁して欲しい…
もしそうなら断固拒否して一人で行ってやる!

「それは帰りにお土産で十分ですよぉー
橘さんは何処へ行くのですか?」

「あー
まだはっきりとは決めて無いんですが…
何処か有名な所にでも行こうかと…
自分京に来てから何処にも見に行って無いので…」

この時代の観光名所って何だろう…?
そんなボケた事を考えている事に気付いていない…

大戦時代、京は攻撃をまぬがれ、殆どの有名な建物、名所は残っているのだが……
すっかり頭から抜けてる様子である・・・


「では嵐山行きませんか?」

「嵐山ですか?」

「はいっ、少し遠いですけど自然や神社仏閣など、独特な雰囲気で心が和みますよ」

確かに嵐山は竹林道や江戸時代以前の神社仏閣などがあり、この時代でも避暑地として有名である。

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