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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第13章 "心"
自分が好きな相手にそう言われて、嬉しくない男が居る訳が無い…
総司は心の中が温かくなるのを感じる…
「私なんかで良かったら、幾らでも付き合いますよ…
何せ相棒ですからね…」
「・・・はい!」
そんな総司の言葉に瑠衣は本当に嬉しそうに笑う…
普段は見れない純粋な笑顔に、総司は思わず頬を染めてしまう。
「??
どうしましたか沖田さん??」
「いっ…いえ…」
きょとんと不思議そうに総司を見る瑠衣…
総司としては恥ずかしくて、ついつい横を向いてしまった…
「と…
兎に角言い難い事を話をさせてしまってすみません」
「いえ、一緒に行動しているのだから、何時かは話さなければと思っていましたから…」
相当な覚悟なのだろう…
何せ一歩間違えれば殺されるのは瑠衣自身だ…
聞いてしまった此方にも責任があるが…
多少の食い違いはあるが、お互い思い合っての事、微妙なズレはこの際だから軽く無視する・・・
「自分は新撰組に居たい…
もっと色々な事を知りたい…」
「橘さん…」
「もしかしたら自分が感情を持つのはいけない事なのかも知れない…
ですが、一度この手にしてしまったらもっと知りたくなる……」
(それは恋と似てますね…)
口には出さなかったが総司はそう感じた…。
「沖田さん、明日は嵐山を早立ちなんですから、さっさと寝ましょう」
「そうですね」
夜明けと共に出発しないと、明日の夜隊務に支障が出る…
そう思い二人は早めに眠る事にした。
「・・・・・・・・・・・」
総司が布団に潜り込んだ後、瑠衣は暫く様子を見て何時ものように起き上がった
そしてやはり何時ものように総司の方に手をやり、光という睡眠効果のある小さな力を放つ…
眠っている事を確認してから総司の布団にそっと近ずき…
その唇に己の唇を重ねる…
……そこまでは何時もと同じだった…
だが…!!
「!!!!!!!」
眠っている筈の総司に腕を掴まれたのだ!!
(あぁ・・・・・・)
総司がゆっくりと目を開ける…
最近気になり危惧していた事‥この睡眠効果の力…
現代の睡眠薬と同じで、使い続ければ慣れてしまい、その効果が弱くなるのである。
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