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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第13章 "心"


「・・・・橘さん・・・」

「あっ・・・・・」

動揺していて何も言えない瑠衣‥いや、何を言っていいのかすら分からない…


 "ドサッ・・・・・"


総司の方は掴んでる瑠衣の腕を引っ張り、瑠衣を布団に押し倒した…


「…夢…だと…思っていました…けど…現実…だったのですね…」

「お…沖田…先生…」

焦りで名が先生付きに戻っていのすら、瑠衣は気付かない…

「私は……
橘さん…あなたが好き…なのですよ…」

「・・・・・」

総司の突然の告白に、頭が真っ白になって何も考えられない……


「先生が…自分を…好き???」

「えぇ…
分からないなら何度でも言います…私は橘さんが好きです…」

「・・・・・・・・・」

「橘さん…」

総司は瑠衣の腕を掴んだまま、自分の唇を瑠衣に押し付ける…

「あ…」

「橘さん…好きです…」

何度も何度も唇を押し付ける総司…

「沖田…先生…んっ…」

その唇はだんだんと激しさを増してゆく…
触れられた唇が物凄く熱い‥それは何故なのだろうか?


「んっ・・はぁ・・ぁぁ……」

上辺だけとは言え激しい接吻の中、総司は漸く唇を離した…


「ハァ……
橘さんは…私の事…嫌い…ですか?
私は男として…見られて…いないのですか…??」

途切れ途切れに切なそうに話して来るが、その瞳は真剣そのもの‥

「自分‥いや…私は…」

自分の心に問うて見る…

総司は嫌い…じゃ無いと思う…
一緒に居たい…もっと話をしたい…

総司を見ていると時々嬉しいような…切ないような…そんな気持ちがある自分に薄々気づいては‥いた…

それが、好きという感情なのかどうか…
自分では分からない、いや知らない感情…

愛しい、恋しい…

そんな感情は自分は体験した事が無い…この身には必要ない…そう思っていた…

では今は…??

今はどうなんだ…???

今思った自分の素直な気持ちを、言葉飾らず総司に口にする…。


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