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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第13章 "心"
朝ー
昨夜の行為のだるさを覚えながらも総司は目が覚めた…
その胸の中には瑠衣がまだスヤスヤと眠っている……
(やはり綺麗ですね…あっ睫毛長い…しかし…私、昨夜本当に…)
昨夜のあれやこれやを思い出し、ボンッと顔を赤らめる…
それでつい体を動かしてしまった。
「……んっ…」
その揺れで胸の中に居る瑠衣が目を覚ましてしまう…
「あっ‥
起こしてしまいましたね」
すまなそうに言う総司
「…いえ…おはよう御座います総司…」
「おはよう御座います瑠衣」
総司の胸の中から、ゆっくり体を起こし、立ち上がろうとするが・・・
「あっ…!!」
思わず体勢を崩してしまう…
総司は慌てて瑠衣を抱き止める
「大丈夫ですか??」
「…何だか自分の体じゃ無いみたいです……」
昨夜の行為の負担が残っているのだろう…
こんな場合女性の方が負担が大きい…
「すみません、無理させ過ぎました…」
「いえ、その‥好きにして良いと言ったのは私ですから…」
兎に角にも、今度はしっかり力を入れて立ち上がる。
「早く出ないと屯所まで遠いですよ?
それと、着替えたいので後ろ…向いて貰えませんか??」
「えっ?
あっはいっ!」
総司は慌て後ろを向く…
後ろから寝間着を脱ぐ音が聞こえる…
どうしても思い出す昨日の瑠衣のあの姿、あの肌‥動揺が抑えきれない…
幸いに瑠衣に背を向けているので見付かる心配は無さそうだけど・・・
此方瑠衣、自分だって女である…
幾らそういう行為をしたといっても、恥ずかしいものは恥ずかしい…
素早く着替えを済ませ、総司に着替えを促して、自分は顔を洗いに行く。
(自分、昨夜…)
昨夜の行為を思い出し、つい頬を赤らめてしまう…
(あぁー
私は…馬鹿だ…)
幾ら離れたくないと思っても、総司は自分にとったら過去の人間だ、情をうつしても所詮別れがやって来る。
それに‥初めてでは無い筈なのに、あんな乱れ方・・・
"儀式"では何の感情も感覚も無かったのに何故…いや、とっくに理由は気付いている…
(本当に…馬鹿だ…)
気付づかすにいれば良かったこの感情この思い…
そうしたら、契約を果たし、なんの後ろめたさを感じず現代に戻れたのに…
(自分は…総司が…好きだ…)
はっきりと気付いてしまった感情、その思い…