この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第14章 "黒"
夜の巡察ー
総司と途中で別れ、反対方向を捜索する瑠衣。
(一人なら屋根の上の方が移動が楽か?)
そう思い屋根の上に登ってみる。
軽い足取りで屋根から屋根へと跳び移り、適当な場所で止まり鏡を取り出す…
(…当たりは…三つ…近いな)
鏡の中心から近い所に光が三つ、その内二つは行動を共にしているらしい。
(数が多い方から行くか…)
そう思い屋根伝いを飛んで、最短距離で目的の場所へ向かう。
『ギギギ…』
目的地に着き、屋根の上から降りる事無く"鬼"の位置を把握‥
(このまま奇襲するか…)
総司と組んでいると出来ない戦法であるが、今はこの方法が有効と判断
瑠衣は朱桜刀を引き抜き、一気に屋根から飛び降り一瞬で"鬼"の首を跳ねる、そして振り返りさま直ぐにもう一匹の"鬼"の右の手の甲を突き刺した!!
『『ギギャー!!』』
一撃で心の臓を捕らえられ、"鬼"は簡単に水晶となる
(まず二匹…)
水晶を拾い、次に向かう為にまた屋根の上に登った
まだ夜は始まったばかりである、瑠衣は軽快に屋根伝いで移動し"鬼"を次々と葬ってゆく…
朝焼けが見える頃には瑠衣は"鬼"を十匹以上退治していた・・・
(今日は此処までか…)
どういう理由なのか、日が射すと"鬼"は現れない、瑠衣は総司との合流地点に足を向けた。
合流場所の大通りの一角に総司は佇んでいる…
(確実に"鬼"の数が増えましたね)
そんな事を思っていると、屋根の上から瑠衣が降りて来た!
「…!! 橘さん!!」
気配も無く総司の元に現れた瑠衣、それも屋根の上からである。
「あっ…
沖田先生お早いですね」
屋根から降りて来たのに、何事も無かったように話す瑠衣に開いた口が塞がらない
「吃驚しました、まさか屋根の上から来るとは思って無かったものですから…」
瑠衣も感づいたのか、あぁ!という顔をしてる
「前にお話しましたよね、忍ではありませんが、忍に近い事は出来ると、屋根の上を飛び回るのくらい朝飯前です」
「あぁ…
言っていましたね」
総司もやっと前の嵐山での会話を思い出したようだ‥
「では今日はずっと屋根の上に??」
総司はそう言って、指を屋根の上に指を差して不思議顔‥
・