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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第14章 "黒"


そう言い、総司は瑠衣を自分の胸の中に抱き込んでしまう…

「………」

瑠衣も少々顔が赤い…


(まぁ…
何だか安心するから良いかぁ……)


そんな事を思いながらウトウトと眠りに引き込まれていった・・・・


「……瑠衣?」

布団の中を見ると、すっかり眠っている瑠衣の姿が…


(クスッ…
眠るの早いですね…)


そんな事を思い自分も安心して眠りにつくのであった・・・





午後ー



「失礼します」

あれからしっかり一眠りして、瑠衣と総司はもう一度土方の部屋を訪れた。

「おぅ、どうだった?」

相変わらず文机と睨めっこ状態が続いている
流石にこれには二人共首を突っ込まない、巻き添えは勘弁である。


「結論から言えば、かなり成果は良いですね」

そう総司は言い水晶の入った袋を出した…
それに習い瑠衣も袋を出す‥
中の水晶を取り出し二人で数えるが…

「私が九つ、橘さんが十六ですね‥」

水晶を集め、土方の部屋にある大きな袋に入れる、これが組内での保管場所、これを外宮に持って行っている訳だ。


「おい総司、橘の方が多いってのはどういうこった?
仮にも一番隊隊長だろうが…」

「だって土方さん、橘さん屋根の上を伝って移動してるのですよぉ-
真面目に道を移動してる私より、現場に到着する時間が圧倒的に早いのです…」

相変わらず頬を膨らまして言う総司‥

「はぁ!?
橘、お前忍か??」

「違いますよ…
確かに屋根づたいに移動したり、人様の屋根の中を移動したり出来ますけど、自分跳び道具は苦手な方ですし、何より忍の心構えなんてありません…」

「なんだ、単なる身軽というやつか…」

「はい、その通りです」

瑠衣はその場で跳ねて見せる、確かに普通の人より跳躍力が高い。

「書類が崩れる……」

だが実際は全く崩れて無い…
それだけ軽く飛んでいる証拠。


「という訳で私より橘さんの方が多い訳です」

「なる程、なら暫くはこのままだな、橘、総司無視して自由に動いていいぜ」

土方の言葉に…

「はい、分かりました…」

一応了承する瑠衣…

「?????」

納得しきれてない顔の瑠衣を見て、不思議に思う総司…


この時、三者三様それぞれが違う事を思っていた・・・
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