この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第14章 "黒"


「・・・・・・・・・」

瑠衣はあの時聞いてしまった総司の心の声を思い出してしまう…。


「沖田先生、自分は本当に大丈夫ですから…
信じて下さい」

瑠衣の言葉に総司は驚く、何故自分の心を読んだような事を言うのか…
安心させる為なのかそれとも……

「橘さん??」

瑠衣は右手で頬に触れている総司の手の上に、自分の手を重ねる。


「暖かいですね…
安心出来る手なんです…」

外見とは違うゴツゴツした手、それでも瑠衣にとっては今一番安心出来るものである。

「剣ダコだらけですけど‥」

「それでも良いんです…」

逆に瑠衣の手は、剣を扱うとは思えない程綺麗な手をしている。


「ともかく、もう少し寝た方が良いですよ」

「えー
寝過ぎて目が覚めました…」

はぁーっと溜め息を吐き、こめかみに指をやる総司…
まるで子供の我が儘状態・・・


「…では、土方さんを呼んで良いですか?
橘さんが目が覚めたら、呼ぶように言われていますので」

「はい、それで構いません」

総司は名残惜しげに瑠衣の頬から手を離し、羽織一枚掴んで土方を呼びに行った。



「・・・・・・・・」


(玄剤の副作用がまだ少し残っている…
それに肩の傷の治りも遅い…)


力の方は完全に回復している、だが傷は"鬼"にやられたせいなのか、それとも別の理由か回復七割程度‥
幸い小さな傷は、もう殆ど治りかけているけど…


(利き腕では無くて良かったが…
動かせ無いのは辛いな…)


早くて一週間という所だろう…普通なら三~四日で治せるのに…


(こんな時玄武がいたらなぁー)


居ない奴を考えてもしょうがないが、玄武ならばこの程度傷なぞ一瞬で治してしまう
因みに玄剤も玄武が作った物である。


(回復は不得意の方だから…)


炎を扱う朱雀としては回復より武術…攻撃性が強い…
守りはそれなりに強いが、治すというのは一番の苦手分野だ‥

現代に居れば傷を塞ぐくらいは簡単に出来る
だが今は力の関係上、癒やしの力は自分の予想より遥かに低い

総司の回復にこれほど時間が掛かっているのは、これが原因の一つだ。



「はぁーーっ……」

我知らず、ついつい大きな溜め息が出てしまう。
/735ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ